よくある質問

ねじゲージに関する質問

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ねじの有効径とは何ですか?

ねじには外径、内径、谷径、ピッチ(隣り合うねじ山との距離)、ねじ山の角度、有効径といった要素があります。

ねじの形状を決めるこれらの要素のなかで、「有効径」とその許容差が重要になってきます。
「有効径」は、ねじ溝の幅がねじ山の幅に等しくなるような仮想的な円筒(または円すい)の直径のことです。
ねじの基準山形を見てみますと、おねじの山頂とめねじの谷径、又おねじの谷径とめねじの内径の間にはすきまがあります。
ねじがカタイ、ユルイなどの状態はねじの「ななめの部分」(ねじフランク面)が重要となります。
このフランク面を管理する為に「有効径」の考え方があります。一般的なねじゲージはこの「有効径」を検査しています。

6g(2級相当)のおねじ製品を製作するよう指示があったが、品質の良い製品を作るため4h(1級相当)のねじゲージを使って製作し出荷したが、取引先の受け入れ検査で不合格となった。
良い精度のものを作ったのになぜですか?

ねじの等級は品質の良さを表すものではなく、公差の位置を示すものです。
ねじゲージは製品の等級にあったものを選択しなければなりません。
参考に1級相当と2級相当の有効径の許容限界寸法と公差を表記します

製品:おねじ

M20×1.5 -4h (1級相当) 18.936/19.026 (0.090)
M20×1.5 -6g (2級相当) 18.854/18.994 (0.140)

製品:めねじ

M6×1.0 -5H (1級相当) 5.350/5.468 (0.118)
M6×1.0 -6H (2級相当) 5.350/5.500 (0.150)

従来のメートルねじ用ゲージやユニファイねじ用ゲージには検査用・工作用がありますが、どのように違うのですか?また、現在のJISには検査用・工作用はないのですか?

従来のメートルねじ用ゲージやユニファイねじ用ゲージの通り側のねじゲージは共通ですが、止り側のねじゲージに検査用と工作用の区別があります。
工作用は、ねじの許容限界の内側にゲージ公差をとり、検査用はその外側にゲージ公差をとって、工作用ゲージで合格したものが検査用ゲージで不合格にならないように考慮されています。
製作側が工作用を使用し、受入側が検査用を使うのが一般的な使用方法です。
現在のJISはISO 1502を基に制定されており検査用・工作用の区別が設けられていません。
現在のJISのゲージは全て検査・工作共用になっていて、寸法は従来JISの検査用に近い設定になっています。
なお、ねじゲージを選定する場合は品質に心配のないJIS認証メーカーの製品をお勧め致します。

ねじプラグゲージM20×1.5 GPNP-6Hの摩耗限界までの摩耗代はどのくらいありますか?

通りは最小寸法19.0325で摩耗限界は19.0205となっており摩耗代として0.012㎜あります。
止りは最小寸法19.2160で摩耗限界は19.2100となっており摩耗代として0.006㎜あります。
通りと止りの摩耗代の違いは止りは使用上摩耗する量が少ないことから摩耗代は少なく設定されています。
ねじゲージを使用する上で摩耗によって最小寸法を下回っても摩耗限界を下回らなければ当然使用には差し支えありませんが、限界が近いことをご理解したうえで使用することをお勧めします。

標準ねじゲージとはどのようなねじゲージでしょうか。また、その使用方法について教えて下さい。

ねじゲージといえば限界ねじゲージ(通り・止りゲージ)が一般的ですが、標準ねじゲージはねじプラグゲージとねじリングゲージがしっくりとはめ合う一対のねじゲージです。
製品寸法の上限と下限を通り・止りで検査する限界ねじゲージにくらべ標準ねじゲージは製品の通り抜けるかたさによって検査します。
また、標準ねじゲージの寸法はねじの基準山形及び基準寸法に近く作られていますので比較測定における基準(マスタ)としても使用されます。
限界式で製作する製品とは異なり、高精度のはめ合いを要求する製品の検査に適します。
大きい径、特殊なねじ、生産量の少ない製品の場合は限界ねじゲージに比べコスト面で有利になります。
しかし、限界ゲージの止りゲージの役割が無いこと、ゲージ同士が摩耗すると製品の嵌め合いに影響することより限界ねじゲージには品質管理という面では及びません。

現在使用されている管用平行ねじ、管用テーパねじにはどのような種類のものがありますか?

管用平行ねじは、現行JISでISO(国際標準)から導入された“Gねじ”があります。
なお、従来JISの“PFねじ”は現行JISの附属書に規定されていますが一部のサイズと等級は規定外となっています。
詳しくはJIS B 0202を参照してください。

管用テーパねじは、現行JISでISO(国際標準)から導入された通称“Rねじ”があります。

“Rおねじ”と嵌り合う、テーパめねじを “Rcめねじ”と呼び、平行めねじを“Rpめねじ”と呼びます。
なお、従来JISの“PTねじ”は現行JISの附属書に規定されていますが一部のサイズは規定外となっています。
“PTおねじ”と嵌り合う、平行めねじを “PSめねじ”と呼びます。
詳しくはJIS B 0203を参照してください。

管用平行ねじゲージPFのプラグ、リングとG規格のリングには通り側にA・Bと刻印されていますがどういう意味ですか?

管用平行ねじは等級がA級、B級と2種類ありますが通り側についてはA級、B級とも共用となっていますので刻印も2種類の等級を併記しています。但し、管用平行ねじゲージGのプラグゲージには等級はありません。